リブラリウスと日々の記録(はてな版)

研究とかイベント運営とかの記録を淡々と。

【11/2実施】図書館情報技術論の公開授業を行います【10/28申込締切】

こんにちは。今井です。

本務先の白百合女子大学では司書課程ならびに司書教諭課程の科目を担当させて頂いております。色々試行錯誤しておりますが,ただ試行錯誤して記録を残さないのも問題だと思うので,特徴的な授業ではきちんと記録をとって,論文を書いていたりします。

例えば,昨年度の「図書館情報技術論」の授業実践に基づき,先日下記のような論文を発表しています。

ci.nii.ac.jp

今年も昨年学生さんに好評だったので,上記実践を行うことを企画しているのですが,せっかくなので,司書課程の教育を行っている方や関わりのある方を対象に公開授業ができないかなと考えていました。

色々,学内にお伺いを立て,必要な各所に許可を得る作業をここのところ行っていました。その結果,無事に承認を得ましたので,このブログで発表します。

11月2日(月)の午前中,東京都調布市白百合女子大学で,株式会社ブレインテックさんの協力を得て,公開授業を行います。

科目は「図書館情報技術論」です。実際の図書館情報システムを使った90分間の講義・演習を予定しています。申し込みは下記のフォームからどうぞ。

もちろん参加費は無料です。広く司書課程の教育に関わりのある方を対象としています。大学教員でなければお断りということはありませんので,まずはフォームからお申し込みの上,ご相談頂ければ幸いです。

kokucheese.com

以下,申し込みフォームからの情報を転載します。

******

白百合女子大学司書課程では,昨年度より実際の業務で用いられる図書館情報システムを用いて,「図書館情報技術論」の授業を実施しています。

この度,株式会社ブレインテックさんの協力により,最新の図書館情報システム「情報館v7」を用いて,「図書館情報技術論」の授業を行うことになりました。

本授業については,司書課程における「図書館情報技術論」の取り組みの一例として,大学で司書課程を教えられている教員の方,ならびに司書課程の養成に携わっている方へ授業公開を行います。ふるってご参加ください。

ただし,教室準備並びに入構の手続きがございますので,事前申込み制とさせて頂きます。恐れ入りますが,氏名,ご所属,メールアドレスをこちらの ページからご登録頂ければ幸いです。追って担当者より当日のご連絡を差し上げます。

なお,当日の授業公開はこの授業のみであり,他の司書課程の授業,ならびに白百合女子大学で当日行われている他学科の授業は公開対象となっておりません。また,授業中の学生の顔が特定できる状態での写真撮影並びに,授業教室 以外での撮影はお断り申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

公開授業名:図書館情報技術論
授業の内容:図書館情報システムについての講義,ならびに実際に業務で使われているシステムの体験を含めた演習
公開時間帯:2015年11月2日(月),8:50〜10:20の1限と10:30〜12:00の2限(1限,2限ともに同一の内容です)
授業教室:申込みされた方へ別途連絡申し上げます。
募集定員:10名まで
参加費等:無料

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なお,電話やFAXでの受付は行いませんのでご容赦下さい。大学本部へのお問い合わせはご遠慮下さい。本件に関するお問い合わせは下記のフォームに掲載されているお問い合わせ欄からお願いいたします。

普段このような機会はなかなかご用意することが叶いませんが,今回いろいろな方にご尽力頂いて,このような機会を設けることが叶いました。白百合女子大学の学長並びに教員の皆さま,事務の皆さまに深く感謝申し上げます。

多くの方のご参加をお待ちしております。

【設定系ノウハウ】newusersで一括ユーザー作成したら,Apache2のUserdirでコケた話。

ども。イマイです。

大学の授業でWebページを作ってもらう課題をやっていたりします。

60名くらいのユーザーを一括作成して,ホームディレクトリを作って,その中にpublic_htmlフォルダを置いておいて,サンプルのindex.htmlとstyle.cssを置くという作業をやっていたのですが,どうにも上手くいかなかったので,色々試行錯誤していました。

結果,非常につまらないミスをしていたことが発覚したのでメモとして投稿します。

【結論】

  • Apache2のUserdirモジュールはユーザーのホームディレクトリに作成されたpublic_htmlを参照する。
  • よって,ホームディレクトリを設定していないユーザーは,/home以下にユーザー名と同じディレクトリを作って,そこにpublic_htmlフォルダをコピーしてパーミッションを揃えても,403エラーを出しますよ。
  • newusersでUserdirを将来的に使うようなユーザーを作る時は,ホームディレクトリを予め設定しておきましょう。

【環境】

  • Serversman@DTIのEntryプラン。Ubuntu14.04 LTS(64bit)のシンプルセット
  • Apache 2.4.7

【経緯】

  • 大学の授業で,受講生に対してWebページを作る課題をやらせたい。
  • 学内にサーバー設置NGなので,VPSを使ってそちらで作業させる。
  • 以前は60名のユーザーをちまちま1名ずつ作って設定していたが,いい加減面倒くさいし,時間もかかりすぎなので,一括設定したい。

【やったこと】

  1. 下記のURLを参考にnewusersの使い方を学んだ。

    Linux - newusersコマンドを使ってお手軽に大量のアカウントを作成する方法 - Qiita

  2. とりあえず,テストでユーザー名とパスワードだけ設定したCSVを作って一括作成してみる(←これが間違いのきっかけ)
  3. ホームディレクトリとか/etc/skelの設定を一括で設定するために下記のURLを参考に,スクリプトを書く。

    一括ユーザ作成コマンド、newusers - satakesatakeの日記 - nextstageoneグループ

  4. スクリプトを動作させたら,homeディレクトリもskel以下のファイルも全て反映された*1
  5. さて,Apache2でUserdirを有効にして,動作確認するか。最初に手動で作ったユーザーはpublic_html以下のファイルが表示された!よかった。
  6. あれ,一括作成した方が403エラーになるよ。
  7. Apacheのエラーログを見てみよう。下記のエラーが出てくるな。

    AH01630: client denied by server configuration: /p
    ublic_html

  8.  ググってみると,Apache2.2系の設定をApache2.4系に持っていくと出てくるらしい。これが初めての設定なのだから,関係ない…。
  9. 3時間ぐらい,OSを入れ直したり,Userdirのconfをいじったりしていたが,症状に違いは無し。
  10. ポイントは手動で作ったユーザーと一括処理したユーザーで見え方が違うこと。
  11. エラーログとかをたどって眺めていたら,実は違っていたのですが,何かホームディレクトリの処理のところで何かが起こっているのではないかと気づく。
  12. newusersは最初のスクリプトで,ホームディレクトリを設定できることを確認。
  13. もしかしたらと思って,予めnewusersに投入するファイルでユーザーのホームディレクトリを設定してみる。
  14. 4.の操作をやり直し。
  15. アクセスしてみると,見えた!

【教訓】

  • OSのせいにしたりしない。
  • エラーログはしっかり眺めましょう。
  • 前提条件で誰も間違えない系のミスは,下手にググりすぎるとドツボ。

ということで,何やっているの系のイージーミスでした。ちゃんと見るところは見ましょう。

ちなみにServersman@DTIは下記の制限があるので,こちらは要注意。でも,安く提供してくれているので,分かっていればそんなに問題ではなかったです(100名以下,かつグループ名を同じGIDにすれば今回はクリアできるので)。

Trip to the World: DTI の ServersMan@VPS には変な制限がある

*1:ここで見た目,homeディレクトリがユーザーごとに出来上がるので,ホームディレクトリを設定したつもりになってしまいました。

『学校図書館』779号の今井執筆記事の参考文献につきまして

今井です。

先日,全国学図書館協議会が発行する『学校図書館』779号に「学校図書館の先へ続く大学図書館」と題する記事を執筆いたしましたが,同記事の参考文献に誤りがありました。

『ラーニング・コモンズ:大学図書館の新しいかたち』は小山憲司編との責任表示を提示しておりますが,これは加藤信哉. 小山憲司編訳が正しい責任表示です。伏してお詫び申し上げるとともに,訂正いたします。

ci.nii.ac.jp

研究者として参考文献について,正しい情報を記載することは基本中の基本であり,著作の信頼性担保ならびに検証可能性を確保するためには最低限守らなければならないルールです。研究者としては,このようなことは1回であっても,あってはならないことです。

加藤さま,小山さまならびに,今回の記事で引用参照した皆さま,ならびに全国学図書館協議会の皆さま,読者の皆さまへご迷惑をおかけいたしましたこと,お詫び申し上げます。

厳しく自戒し,再度繰り返すことがないよう,今後は細心の注意を払って作成にあたることをお約束申し上げます。

 

2015/11/03追記:
国学図書館協議会の皆さまのご厚意により『学校図書館』780号の巻頭にて,訂正記事を掲載して頂きました。改めてお詫び申し上げます。今後の再発防止に全力を挙げて参りたいと思います。

【第17回図書館総合展への道シリーズ】「メーカーズ・ラボ」でウェルカムボード作成。

どうも。今井です。本体の方の投稿は久しぶりです。

今年も関わっております,図書館総合展ですが,いよいよ2ヶ月とちょっと先に開催日が迫ってきました。

本題の前にちょっと宣伝

それに合わせて,本体の企画が少しずつ明らかになってきました。例えば,こんな企画が出ています。

www.libraryfair.jp

自薦/他薦を問わず,ご興味ご関心のある方は,まずは気軽にお問い合わせ下さい。

企画背景

さて,私の方からも皆さんに新規企画のご紹介を申し上げます。それが,「メーカーズ・ラボ」(仮称)コーナーです。これは,図書館総合展で「良い話を聞いた」「勉強になった」以上の何かを持って帰って頂くことを目的とした,様々な「ものづくり」の講座を開催するコーナーです。

既に図書館総合展メールマガジンでは,「手作り布の絵本」と「黒板ウェルカムボード」の二つが紹介されていますが,今回は私が企画に関わった後者の「黒板ウェルカムボード」についてご紹介申し上げたいと思います。

図書館においては,様々な形で利用者の方へPRを行う機会があります。例えば,京都大学吉田南総合図書館では,黒板を使って利用者へのお知らせをしています。国立国会図書館のカレントアウェアネスEでも取り上げられたことがあるので,ご存じの方も多いかと思います。

E1602 - 黒板による広報の可能性:京都大学吉田南総合図書館の事例 | カレントアウェアネス・ポータル

個人的には,大変面白い試みだと思っていて昨年度の図書館総合展が始まるあたりで,何か企画としてできないかなとずっと考えていました。

3日目の学生ツアーが終わってホッとしたあたりで,急にアイディアがわいてきました。

そういえば,私の趣味の演劇鑑賞の分野でチョークアートを発表されている作家さんがいらっしゃるではないか,その方に図書館総合展の会場でコーチングをしてもらって,参加者の方に作品をそのまま持ち帰ってもらってはどうだろうかと考えたのです。そして明日から図書館のPRにそのまま使えるのであれば,とても面白い結果になるのではと。

その場で作家さんに連絡を入れて,日程を押さえて頂きました。企画が通るかどうかは未知数だったのですが,一瞬でも面白そうと思ったモノはやってみないと気が済まないようです。

さて,ご紹介が遅くなりました。その作家さんの名前はnookworksさんです。

d.hatena.ne.jp

私が関西小劇場を見るきっかけになったものはたくさんあるのですが,その中の1つに,「SP水曜劇場」という関西の「天劇キネマトロン」というミニシネマで開催される小劇場演劇の上映会をUstream中継するという少し変わった番組があります。

SP水曜劇場 - USTREAM演劇チャンネル

この上映会のために定期的にウェルカムボードを提供しているのがnookworksさんです。

作例としては,上記のプロフィールリンクに加えて,下記のウェルカムボードをオススメしたいと思います。

SP水曜劇場 今日のウェルカムボード その100-take-noble演劇ビデオ雑記帳

企画内容

さて,このnookworksさんをお迎えして,図書館総合展の「メーカーズ・ラボ」(仮称)では何をやるのでしょうか。

ズバリ,「参加者が描き方を習いつつ,その場で図書館PR用のウェルカムボードを作って,次の日から図書館のPRに活用してしまおう」という企画です。いつか活用できればいいなという内容ではなく,図書館総合展の翌日から実戦投入可能な内容です。

現在,企画の最終段階を詰めておりますが,下記のような形で進める予定です。

  • 参加者の皆さまにはウェルカムボード用の板*1+画材の実費を負担して頂く*2
  • 事前にフォーマットをお渡しして,どんなボードにしたいかのラフスケッチを事前に考えて頂く
  • 当日はそのスケッチを元にウェルカムボードを作っていく
  • できあがったウェルカムボードは会場から持ち帰って,翌日から図書館の現場に投入可。

参加対象

企画の上では図書館を対象としていますが,ご興味のある方には自分の興味関心に引き付けて取り組んで頂けるようにしたいと考えています。

参加するメリット

なお,自分で黒板を買ってきてチョークを買ってくればもっと安くできるのではないのか,と考える方もいらっしゃるかも知れません。

でも今回は,実際にカルチャーセンターなどで講師を務められているnookworksさんにその場で「より目をひくには?伝わりやすくするには?」という疑問について,ボードと画材の実費のみで教えてもらえるというメリットがあります。

画材は普通の黒板とチョークではなく,使う画材をチョークよりも取り回しがしやすい「キットパス」という画材を使います。実は「キットパス」は普通の黒板では使用できないので,別途ボードを用意する必要があります。今回の場合,実は特注品になるのですが,これも負担して頂くお金の範囲でちゃんと提供いたします。

キットパス商品説明/日本理化学工業株式会社

キットパスは書いている間に粉が出ず,また水で消せるので,日替わり,週替わりで内容が書き換わる内容のウェルカムボードとしては,オススメです。今のところ,キットパスも12色セットを当日参加者に配付して,持って帰ってもらえるようにします。

開催日・場所

さあ,ここまで書いてきて気になる開催日ですが,もう既に内定しています。

2015年11月12日(木) 14:30〜17:00 パシフィコ横浜展示会場内メーカーズ・コーナー

募集人数はコーチングの関係上,小規模になる可能性が高いので,これは楽しそうと思う方は,今から図書館総合展公式のお知らせにアンテナを張っておいて頂ければ幸いです(先着順で満員になり次第締め切ります)。

というわけで,やっとこのお知らせが書けました。まだ他にもいくつか関わっていますので,その点も明らかにできるところになりましたら,随時お知らせします。

本日はここまで。

*1:サイズはA3orB4,ただし当日はどちらか1サイズのみの提供になる予定

*2:4000円程度を目安,当日まで金額に変更がある場合があります。ただし負担をなるべく減らす方向で進めています。

【活動報告短信】「高校生の読書に関する意識等調査報告書(日本)」を書きました。

こんにちは。今井です。

活動報告短信です。国立国会図書館さんのカレントアウェアネス-Eで下記の記事を執筆いたしました(なお,委員会の公式文章ではなく,あくまでも今井が個人の立場で書いた記事です)。

E1682 - 高校生の読書に関する意識等調査報告書(日本) | カレントアウェアネス・ポータル

内容は,タイトルからも推察できるかと思いますが,文部科学省委託調査平成26年度「高校生の読書に関する意識等調査」 の報告書に関する紹介記事です。今井はこの調査の調査手法や内容について検討する「調査検討委員会」の委員を担当しておりました。調査の実施主体は株式会社浜銀総合研究所の皆さまです*1

報告書自体はPDFで公開されています。125ページの長文ですが,上記の記事とともにご参照頂ければと思います。

 

www.kodomodokusyo.go.jp

上記の解説記事にも書きましたが,この報告書の良いところは下記の2点だと思っています。

  • 高校生だけにアンケートを取ったわけではなく,保護者・教員に対しても調査を行っており,データ数も豊富であること。
  • 単に本を読むかどうかだけではなく,関わりがあると思われる周辺要因についても幅広く調べられており,様々な検討が可能であるところ。

報告書を見た方の中には,このデータは当たり前すぎるとか,実践者の間では常識なことを今さらなぜとか,思った方もいらっしゃるかもしれません。でも,私個人の意見としては,この報告書の意義は,きちんと調査の形で出てきたことだと思っています。

重ねて私個人の意見として申しあげますが,この報告書が出てきたことで,高校生の読書について,実践者の経験や印象論,あるいは限られたデータで語らざるを得なかった状況から,少なくとも報告書の記述を参照しながら,何が必要なのかということが検討できる段階になったのではと思います。

自分はあくまでも「調査検討委員会」の一委員でしかなかったのですが,この報告書は多くの方に参照して頂きたいなぁと強く希望いたします。

*1:データ数の多い調査をここまでまとめるのは大変だったと思います…。担当者名まではクレジットされておりませんが,本当にお疲れ様でした…。

【イベント案内】SLiiiCサマー・ワーク・キャンプ2015 #SLiiiC

ども。同時進行案件が多数ありまして,15分ごとに事務員や自称クリエイター,研究者の間を転職をしながら業務に当たっているイマイです。

さて,今日は自分の所属団体の宣伝です。学校図書館団体SLiiiCのサマー・ワーク・キャンプ2015のお誘いです。今年は9月12日(土),13日(日)の両日を予定しています。

www.sliiic.org

毎年1回,他の学校図書館団体ではやれないような「新しくて魅力的な企画をやろう」を合い言葉に企画しておりますサマー・ワーク・キャンプ。2015年の今年も開催することが決定いたしました。

昨年は,READYFOR?によるクラウド・ファンディングを実施して,多くの方に支援して頂きながら,大成功を収めることができました。(ちなみにその様子は下記の「学校図書館」no. 775に掲載して頂きました。お近くの図書館等でご覧頂ければ幸いです)

ci.nii.ac.jp

今年は,クラウド・ファンディングなどの派手な資金調達は行いませんが,「新しくて魅力的な企画をやろう」のコンセプトは全く変わらず,皆さんの期待を裏切らない企画を考えています。

今回のテーマは「学校図書館と生涯教育」。何か組み合わせとしては異質なものに思えるかもしれません。学校図書館公共図書館の話かな?と思った方,確かに公共図書館の話も行いますが,それだけではありません。

本来,生涯教育の概念には学校教育も含まれますので,大学だけでなく小学校,中学校,高等学校も生涯教育の範囲内です。しかし,一般的には生涯教育というと学校教育とは異質なもの,違うものと考えられていることが多いのではないでしょうか。

SLiiiCのスタッフは,SLiiiC流にこの問題を扱ってみようということで,今回,学校図書館だけに限らず,「生涯教育」というトピックを設定してみることで,学校図書館をディープに考えてみたり,時には視野を広げてみたりしながら,あれこれ取り組んでみる内容を詰め込んだサマー・ワーク・キャンプにしようと考えました。

そうそう,今年はイマイの本務先である白百合女子大学(東京都調布市)を会場にしています。ただ会場にするだけでは面白くないので,本務先の大学図書館サポーターLiLiAさんにも声をかけて,SLiiiCの特色である,実践者,研究者,学生の3者を備えたイベントにすることも忘れてはいません。

www.jcross.com

さて,現時点では,下記の企画を予定しております。

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1日目午前:「学校図書館公共図書館がつながるために」高井陽さん(大田区立大森南図書館)

公共図書館の立場から学校図書館に対してどんなことができるか模索する時間を高井さんとともに考えていきます。

1日目午後:「学生さんと一緒に図書館や図書館活動を考えよう」学生さんpresents企画

大学図書館や大学生は,学校図書館から一番近くて遠い存在です。白百合女子大学図書館サポーターLiLiAさんの活動報告+学生さんからのお悩み相談をはじめとして,学生さんと図書館を考える時間を考えています。

1日目夜:SLiiiC大懇親会!(仙川駅周辺)

*参加費3500円。飲み放題!

2日目午前:小峰直史先生presentsワークショップ

*昨年ご好評頂いた専修大学の小峰直史先生に今年もご登壇頂くことが決定しました!内容は詳細が決まり次第随時発表します。

2日目午後:SLiiiCマーケット(物販OKの大交流会)

*参加者も事前届け出をすれば,物販ができる大交流会!ここでしか購入できないアイテムがあるかも。

*販売アイテムは飲食物以外であれば,日頃の実践記録集や,学校図書館運営に役立つ小物でも何でも可です。販売にかかる手数料は参加費以外は無料です。出展料などは頂戴いたしません。

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どれも自信たっぷりの目玉企画です。2日間の中に盛り込むには盛りだくさんすぎる内容かも知れません。でも,どんな方であってもどこかしらに興味を持って頂けるような,おもちゃ箱のような企画を盛り込んでみました。半日参加しようが,2日間通しで参加しようが,今年は1500円で参加費は統一ですので,どうせならば全部参加してしまった方が遙かにお得です。1日目夜の懇親会は3500円別途頂きますが,飲み放題です。
ので,元を取る方面でトライして頂ければ十分元が取れるはずです。

個人的に大プッシュしているのは,2日目午後のSLiiiCマーケットです。なんと事前に販売品の登録をして頂ければ,頒布活動OKにいたしました。実践記録集とか,学校図書館運営に役立つ小物など,何でも販売して頂いて構いません。無料では難しいけれど,印刷実費を頂ければ参加者に頒布できるものをお持ちだという学校図書館関係者の方は多数いらっしゃると思います。そういう方々の頒布の場を設定できたら良いのでは,しかもそれを団体ではなく個人単位でできたら敷居も低くて良い感じになるのではというのがコンセプトです。

実際の所は学校図書館コミケをやったら面白いんじゃないかという完全な思いつきであることは内緒です。ほら,だって名称だって明らかにそれを意識してますし…

あと類似のイベントだと出展料等を取ることがありますが,SLiiiCの場合は参加費以外は手数料無料ですので,在庫とかそんなことを考えずに頒布して頂ければと思います。

もちろんSLiiiCマーケットは販売するだけでなく,購入目的でいらっしゃるのも大歓迎です*1Amazonとかで購入できないような品揃えになること間違いなしなのでどうぞお楽しみに。発売決定アイテムが決まったら少しずつ広報していきたいと思います。

なお,参加してみたい,実践報告集の頒布をやってみたいという方,6月15日(月) より申し込みが開始されています。SLiiiC公式Webサイトから申し込めるようになっていますので,お早めにお申し込みください。多くの方に参加頂けるようにしていますが,座席や資料の関係上,一定数を超えたところで,締め切りとさせて頂く場合がございますので,どうぞよろしくお願いいたします。

www.sliiic.org

 2015/06/15 22:57追記:

今年もフライヤーはkumoriさんにデザインして頂きました。黄色をベースにしたとてもかわいらしいフライヤーです。画像の下のボタンから,PDFがダウンロードできるようになっていますので,身の回りでもバンバン宣伝していただけると嬉しいです。

f:id:librarius_I:20150615225811j:plain

www.dropbox.com

*1:このパートだけ購入目的でいらっしゃる方は参加費等はどうするかについては現在検討中です

小林卓先生のこと。

私信です。ブログに書いたって届くわけもないのですが,届くかもしれないと思って書き連ねてみます。

小林卓先生。実践女子大学の准教授であり,私にとっては東京大学図書館情報学研究室の先輩にあたる方です。4月8日(水)に急逝されたとの知らせを,土曜日の夜に頂戴しました。あまりに驚いてしまって,先生の訃報を知らせるべき方に送付するまでは何とか勢いを持たせることができましたが,翌日の日曜日はほとんど何も手につきませんでした。

私と小林卓先生が初めて連絡を交わしたのは,2011年の11月で,私が大学院博士課程を終えて,特任研究員のお役を頂いて半年ぐらい経った日でした。その日小林先生ご本人から,「図書・図書館史」の授業1コマで学校図書館の話をして欲しいとのメールを頂戴しました。

ちょうど博士論文の作業が上手くいかず煮詰まっていたこともあって,頭を整理するためにという意図もありつつ,でも本当は「面白そう」という感情だけに突き動かされて,OKの返事をその日のうちに出しました。

2012年の1月に授業を担当させていただきました。図書館情報学を研究しているくせに,初めてそのときになって降り立った「日野駅」。初めて入った実践女子大学の5階に先生の研究室はありました。初めて伺ったときに,図書館史のグッズをたくさん見せていただきました。

たぶん記憶がねつ造されていなければ,おそらくは「スゴいですねー」と繰り返して,お前分かってんのかとツッコまれるような反応を私はしていたはずです。でも,なんだかんだで楽しかった記憶は残っていますし,後日ちゃっかり頂いたホーンブックレプリカと百万等陀羅尼のレプリカは今でも研究室の棚に収まっています。

近畿大学中央図書館 貴重書 3階常設展示 2011年1月 ホーンブック

 最初からそのつもりですが,私がこの仕事を辞めるその時まで,これらは大切に大切に取っておくことに決めました。そして,とっておきの時に学生さんへ見せたいと思います。

白百合に仕事が決まってからは授業参加はご無沙汰になってしまったのですが,その後も,仕掛け絵本の披露会,聖書の写本の展示会をはじめとして事あるごとに声をかけていただきました。知識がちゃんとなくて,小林先生の意図をどこまできちんと受け止められたかは自信がありません。でも,一つ一つのアイテムについて,楽しそうに解説を加えている語り口は今でも少し思い出すことができます。

さて,小林先生は教育の面でも研究の面でも大変気にかけていただいていました。お電話でご相談に乗っていただいたこともありました。電話の内容はここには書きませんが,先生が教えてくださったことはその通りでしたし,これからも大切にして行動して参りたいと思います。

特に下記にあげる著書は,研究レビューとはこういう風にやるんだというお手本のような本です。何度でも何度でも見返したいと思います。

www.amazon.co.jp

断片的な記憶がどんどん出てきます。もう少し落ち着いたら「京王・井の頭線女子大コンソーシアム」を作りましょうと仰っていただいたこと,渋谷にキャンパスが移転するから僕も通勤電車に乗らなきゃいけなくなったんだよねと言っていたこと,他にもたくさんのやりとりがありました。エピソードはもっとたくさんありますが,あんまりここで披露して消費することは先生は望まれていないような気がするので,2人だけの秘密にしておきたいと思います。

いくつか頼まれたのに,お断りしたり,結局できなかったことがあったのが悔しくて悔しくてなりません。お世話になってばかりで,まだ何も返せてなくて,本当にごめんなさい。少しでも精進していつか追いつけるようにしたいと思います。有り難うございました。そしてさようなら。