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リブラリウスと日々の記録(はてな版)

研究とかイベント運営とかの記録を淡々と。

学校図書館,PR,実践記録

友人の研究者が図書館と民間の問題に正面から切り込むポストを投稿したので,私も何か投稿しないとと,非常勤の移動中の電車で考えたりしました。

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▼まず,彼の問題が学校図書館というフィールドでどう扱えるかを考えると,おそらくは同じロジックでは論じられないだろうとは思うのです。語弊があるのを承知で書くと,そういう構図を描くまでの土台がないというのが本当のところ。公共図書館が3210(2011年),小中高等学校の数が35732(2011年)。学校図書館学校教育法施行規則の第1条で各学校に確実に設置されている施設なので,本当なら10倍近い数の差が付いているのにも関わらず。


▼本当は正規VS非正規のような対立関係はあるにはある*1のですが,そもそも人がいなかったり,ちゃんと機能していなかったりするので,各種のフォーラムとかでも,この問題に至るまでの間に議論が拡散してしまうと言うのが私の感触です。ぶっちゃけてしまうと,もめる前に,人が足らない,お金が足らないと言う話が先に来て終わることが何と多いことか。


▼じゃあ,私が,お金や人を充実させてから全て論じれば良いかーというスタンスなのかというとそうでもないのです。彼が「おれが強く思ったのは,図書館屋への思いです.」と述べて,図書館の中にいる人たちへ表明したような懸念は確かにあります。


▼Webとかをやっていて,公共図書館大学図書館の人たちが羨ましいなあと思う瞬間があります。優れた実践報告がWebから閲覧できる時です。学校図書館の世界では学芸大学の「授業に役立つ先生のための学校図書館活用データベース」とか,手前味噌ですがSLiiiCとか,あるにはあるのですが,各館レベルでの報告は私立や公立の一部を除いては*2,見つからないことが大変多いです。


▼研究者であれば,「優れた実践については自分から足を運んで評価しに行くべきで,Webに載るのを待つなんてけしからん」と言えるかも知れません。でも,各種のフォーラムに行ってよく聞く言葉に「これだけの実践を行なっているのに,周りが理解してくれない」という言葉があります。学校内部だけでなく,地域や社会の人たちは何故学校図書館を理解してくれないのかと。


▼私は「もっと学校図書館の実践について,誰もが見られる場所に公開すべきだ」と思っています。仲間内の報告書で終わらせるのではなく,学校図書館関係者の前だけで公開することで留めてしまうのではなく,もっと誰もが見られる場所へ公開すべきだと考えています。今ならばWebに公開するのが一番でしょうか。理想は山形県鶴岡市立朝暘第一小学校のように学校のWebで公開されていると良いのですが*3


▼もちろん,仲間内の報告書や学校図書館関係者への報告はもちろん無くてよいという話ではありません。むしろせっかくその段階まで報告したのなら,あとちょっと頑張って外部公開したら,もっと多くの人に広められるチャンスが出てくると思います。例えば,これから先生になるであろう司書教諭課程の学生さんにも資料として紹介しやすくなります。


▼自分が実践に関わっていない中で言うのは,不味いのかも知れませんが,「もっとみんな自分の実践をWebで公開しようよ!」と言うのが私の願いです。Webでもっといろいろな実践記録が出回ったなら,少なくとも,今よりもずっと学校図書館のことを考える人が,良くも悪くも出てくるように思います。


▼と,ここまで威勢良く書いてきたのですが,学校現場を想定すると,簡単なことではないことも十分に承知しています。何処か任意の小学校のWebとかを見て頂ければ分かりますが,学校図書館に関わらず,実践記録がWebで取り出せる学校ってほとんどありません。


▼原因としては,現在学校現場がWebに対して過敏になっている(生徒の個人情報の問題とか,広報体制の問題,デジタル技術に対する不信感)事があげられます。学校によってはTwitterFacebookを含めたWebに対して,理解のない所もあるでしょうし,場合によってはそんなものに手を出さないで欲しいと考えている自治体もあるかもしれません*4


▼上記の原因を解決できたとしても,Webに自分で公開するほど,先生には時間が無いという問題も悩ましいです。先生達だけに責任を押しつけられるほど,問題は簡単ではないと感じています。(だから新聞報道とか誰かが監修した図書の中でないと,,学校図書館の実践が出てきづらいのかもしれません)


▼問題点を列挙した後で,じゃあ解決方法があるのかと言われると,それほど抜本的な解決方法は思い当たりません。できるところから公開していくしか無いかなと思っています。とりあえずは学芸大学のデータベースは全面的に応援していますし,学校図書館関係のイベントで自分が関わったのものは,Ustream中継とか,資料公開を積極的にやっています。でも,何か良い方法が思いついた方がいたら,こっそり教えてもらえるととても嬉しいです。


▼なお,最後になりましたが,今回の記事はあくまでもイマイの私見であって,私の所属する団体や組織の意見を代表するモノではなく,また,学会発表レベルの十分な調査に基づいての発言でもありませんので,どうぞご容赦ください。おしまい。

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*1:一応,司書教諭と学校司書の立場の違いや役割の違いについてちょっとした小さな論争はよく起こっています。

*2:正確に言うと,先進的だと言われている学校ですらWeb上にはリソースがない場合もあります。

*3:もし無理なら学芸大学のデータベースとかの外部のサイトでもやり方はいくらでもあります。

*4:この辺は民間以上に,自粛ムードが広がりやすい,あるいは社会的に地域から自粛を強要する問題が隠れていると思うのですが,その辺は私には手に余りそうなので,この辺の論考は別の方にお任せします。