リブラリウスと日々の記録(はてな版)

研究とかイベント運営とかの記録を淡々と。

【訪問ログ】大阪産業労働資料館(エル・ライブラリー)

こんにちは。今日は趣味の観劇のために大阪に来ております。

夜まで時間があるので,せっかくだから,前から行ってみたかったところへ行くことにしました。前日の夜になって関係の方へ急遽連絡。突然の連絡にもかかわらず,ご快諾頂いたので,大阪は天満橋の駅で下車して,その場所に向かいました*1

ずっと伺いたいと考えていた場所は,大阪産業労働資料館(エル・ライブラリー)さんです。saveMLAKの活動に混ぜて頂いたときから,ずっと伺ってみたいと思っていて,あとマトモにお金が稼げるようになったら必ずここのサポート会員になるんだと思っていたそんな場所でした。

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自分が立てた誓いからは1年9ヶ月遅くなってしまいましたが,ようやく念願のエル・ライブラリーを訪問することが叶いました。

大阪産業労働資料館(エル・ライブラリー)

仕事納めの大変お忙しい時期にもかかわらず,館長の谷合さんに1時間半ほどおつきあい頂きました。出会って早々にサポート会員の申し込みを済ませ(なお,寄付金の扱いになるので,所得税の控除対象となります),館内をご案内頂くという豪華ツアー*2

エル・ライブラリーとは何ですか?という方のために,公式Webから説明を引用します。

エル・ライブラリー、大阪産業労働資料館は、公益財団法人大阪社会運動協会が運営しています。2008年、大阪府の「橋下改革」によって最初に廃止された施設である「大阪府労働情報総合プラザ」を受託運営していた財団法人大阪社会運動協会(社運協)が、 協会の資料室である「大阪社会運動資料センター」をリニューアルし、大阪府労働情報総合プラザの旧蔵書17000冊を統合して2008年10月21日に オープンした労働専門図書館です。サポート会員の会費、寄付等、多くの方々の支援によって運営されています。
大阪社会運動協会(略称:社運協)は,大阪の社会運動・労働運動の文献資料の収集、保全、編纂、刊行等を目的として、1978年に労働組合労働福祉事業団体・研究者・弁護士などにより設立された公益法人です。

エル・おおさか(府立労働センター) の4F部分に位置する図書館で,図書館そのものは決して大きくないのですが,紹介していただいた書庫の資料はまさに宝の山でした。労働争議に関する原資料がきちんと保管されていて,歴史をちょっとでも研究したことがある人なら,専門外であっても資料群の貴重さがすぐ分かるレベルのコレクションでした。

個人的には,多くはないと仰っていましたが日教組関係の資料(中には労働争議をしていた教員に対する高校生の感想文(!)がコレクションになっていました。)を拝見しているうちに,学校図書館史をたどる上で,こうした資料も活用できるのではないかとアイディアを勝手に膨らませていました。

職員2名にボランティアさんで切り盛りしているため,目録化や電子化の作業が追いついていないとのことでしたが,これだけの資料を残しておいて下さっているだけでも,相当大変な業務が待っているはずで,支えている皆さんには,ただただ感謝申しあげたい気持ちです。

ご説明頂いた中には,プロレタリアの流れと関連した演劇公演のチラシなども含まれていて,当時,どんな感情やイデオロギーを持ってこのチラシが作られていったのだろうかと想像していました。それから,中之島で行われたメーデーの写真を眺めながら,そうか,この時代はマイクがないから肉声でスピーチをしなければならないのか,演台の周りを聴衆みんなで取り囲んで,ヤジを飛ばしながら聞いていたのか,と当たり前のことに思いをはせてみたり。

正直,訪問するまでは,資料に対するイメージがそれほどきちんと持てていなかったために,図書館の中でも「頑張っているエル・ライブラリー」というイメージでしかありませんでした。しかし,谷合館長に資料のご説明を頂いて,「きちんと未来に残さなければいけないアーカイブ」をもっているからこそ,「全力で頑張っているエル・ライブラリー」というイメージへと変わりました。あれだけの貴重な資料を未来に伝えないなんて,こんな残念なことはないと。

ご説明が終わって,谷合館長と話をしている中で「今度は研究者として伺います」と申しあげましたが,結構本気で研究に使うことを考えています。今日作ったサポート会員の会員証も単なる飾りではなく,きちんと活用したい,そう決心するだけの材料があそこにはありました。物見遊山の感覚でしたが,これは思わぬ誤算でした。

仕事納めのお忙しい時期にもかかわらず,お相手して下さった谷合館長,ならびに千本さまには,ただただ感謝申しあげます。必ず,またエル・ライブラリーに研究者として戻ってきたいと思います。

宣伝追記:
なお,エル・ライブラリーは絶賛サポート会員および寄附を受付中とのことです。直接の寄付金からAmazonアフィリエイトはてなポイントまで多種多様なサポート方法がありますので,皆さま是非是非ご支援を。

http://shaunkyo.jp/support.html

*1:大変失礼いたしました…。

*2:全く,仕事納めの日に何てことやらせるんだと自分でも反省しています…。