【論文補遺】「1930年代のアメリカ南部における学校図書館専門職養成制度」
どうも。librarius_Iです。
先週,私が執筆した「1930年代のアメリカ南部における学校図書館専門職養成制度」が
日本図書館情報学会誌 Vol. 56, No. 3に無事掲載されました。
早速Twitter上で反応をもらったので,軽く小躍りしながら喜んでいました。
しかし,ふと,同時に少し補っておかないと不味い点に気づいていたりもしました。
Blogでは紙幅制限もありませんので,好き勝手に補遺を記す次第です。
(ちょっと今立て込んでいるので,急いで書かなければいけないところだけです。あとは・・・補えるのかなぁ?)
表1,表3,表4の数字について
すでにお読みになった方は気づいたかもしれませんが,表1,表3,表4の生徒数について段階が重なっている箇所が
あります。例えば,表1の南部基準協会の「図書館員」基準の達成率(1930)について,生徒数が仮に200人だとした場合,
「100人から200人」「200人から500人」の2つのカテゴリが当てはまり,基準としては2重に当てはまってしまいます。
これについては,"わざと"この表現を使いました。
実は,これは論文の最終段階まで「100人以上200人未満」「200人以上500人未満」と書いていました。
ただ,査読のやりとりをしている段階で*1
最後に確認しておかないといけないなと気づき,最後の原稿提出前に原典を確認し直しました。
有り難いことにハッチトラストでフルテキストにアクセスできる*2ので,
そこから原典を引っ張ってきてみましょう。
Libraries in the accredited high schools of the Association of Colleges and Secondary Schools of the Southern States;
p. 9 Table V.
Size of School |
---|
100 or less students |
100 - 200 students |
200 - 500 students |
Table V. については必要なところだけ抜き出すと,以上のような記述でした。ちなみにハイフンのところは本文では"〜to〜"と書かれています。
これは間違いだろうと考えて自分で修正をしていたわけですが,最後の段階で原文から読み取れるとおり以上のことは言うべきではないと判断し*3,
皆さんの手元にあるような記述に到達した次第です。
ただし,これは本来は最初の投稿段階で行うべきだったと考えています。投稿段階で全ての文献を確認するのは当たり前のことですし。
それでもこうやって公開したのは,次はきちんと最初から行うべきと自分を戒めるためと,誤字ではないと周知しておきたかったと考えたからです。
図書館情報学にかかわらず,研究を行っている皆様は他山の石として頂ければ幸いです。
謝辞について
論文では,スペースが足らなかったため,謝辞を削っていますので,補足致します。
本論文は,LIPER2学校図書館班の研究の一環として行いました。
学校図書館班のメンバーである,筑波大学の平久江祐司先生,九州国際大学の安藤友張先生には,着手および学会発表の段階から,
方向性ならびに調査方法に関して具体的な指導を頂きました。有り難うございます。また東京大学図書館情報学研究室の影浦峡先生には,
ゼミ等でたくさんのアドバイスを頂きました。また研究室院生の皆様からは多くのサポートを受けることが出来ました。
特に河村俊太郎さんからは,最終段階でのアドバイスが頂けたおかげで,よりよい論文に仕上げることができたと考えています。
最後になりましたが,指導教員である根本彰先生には,懇切丁寧かつ粘り強い指導を頂けたことを深く御礼申し上げます。
それから,謝辞には絶対書けないのですが,丁寧かつ的確な指摘を行って下さった査読者の方にも感謝申し上げます。
あぁ,時間が来てしまった・・・。残りはまた機会を改めて書きます。